■ MUKU-DATA 福島県喜多方市 若喜商店様 蔵座敷「縞柿の間」

9月の中旬(9/17)友人とツーリングがてらに喜多方へラーメン食べに行こと誘われ
(新潟から喜多方へラーメンを食べに行く人は多い。日帰りのドライブや観光にちょうどいい距離からかな・・)
美味しいラーメンをいただきながら、材木業界とは関係のない友人から
そういえば近くの醤油屋さんの奥に黒柿の間があるんだけど見る?と聞かれ
内心は業界以外の友人だし、どうせたいした事もないのだろう・・
あれば隣県の喜多方だし、とっくに耳に入っているしなぁ・・と期待せずに
お醤油さんへ歩いていくと、、あぁ・・レンガ造りの素敵な佇まい。。
店内へ入りどれどれと奥へ向かうとガラスで仕切られた奥の小窓から
「縞柿の間」が覗けるようになっていた。
座敷に置かれた座卓の黒柿や柱類に使われた縞模様の杢が見えて
これはただならぬ気配を感じてゾクっとした。
ガラス越し付近であーでもないこーでもないと少し興奮気味に
友人に話していたら、12代目当主が来られて
そんなに興味あるのでしたら、ご案内しますよと
『縞柿の間』に通していただいた。(普段は中へは入れないようです)

過去にあれこれと黒柿が使われた室内は見てきたが
ここには度肝を抜かれた。
鴨居、長押、敷居、雑巾摺に至るまで全て柿の木で造作されてあった。
意地でも黒柿、に拘ったのだろう。

2階の「欅の間」の間も見せていただいたが一階の「縞柿の間」とは違って
繊細で上品な造作だった。

年々良材は枯渇して、市場へ言っても銘木関係者からは
いい木がない、ないと耳にするし、実感として感じている。
これは!って木に出会うとプロの皆さんは同じようにどこかに触れるようで
どんどんと高値に吊り上がる。
最近の純白栃の縮み杢、黒柿の杢ありは競りを見ていると異常な値が付いたりしている。

ドキドキ、ゾクゾク、溜息、暫く放心・・・
久々に刺激的な黒柿と全てにおいて黒柿で造作するぞ!と決めた覚悟に
溜息が出てきた。
凄いなと思う物、凄い木、凄い造作、凄い覚悟などに時々触れる事は刺激になっていい。

若喜さんで購入した醤油で刺身をつまみに一杯やりながら
『縞柿の間』に思いを馳せている。

お醤油がなくなりそうなのでそろそろまた買わなきゃだな。

若喜商店 様 ➡ レンガ蔵と蔵座敷